編みパンってどんなパン?
編みパンは、スイスの伝統的なパンの一つです。
白いパンを三つ編みにして、祭日に特別なものとして食べたのが始まり。スイスはライ麦がよく採れるところで、その昔、一般の人々は黒いライ麦パンを食べていました。いつも黒いパンを食べている人たちが、貴重な白い小麦粉で作られた編みパンを特別な日に食べる・・・・・・。編パンにはそんな歴史があったのです。
ただし、編みパンのルーツとなると、紀元前にさかのぼると言われています。
ピラミッドを掘り起こした時に、おさげのような編んだパンが出てきたそうです。このことから、お弔いの際に供物として捧げられたと考えられています。
でも、なぜパンが? と思われるかもしれません。注目すべきは、“編まれた”パンであるという点でしょう。三つ編みのおさげ髪は、女性を表します。死者の脇に編みパンを添えておくと、女性もそばにいるし、食べ物もある。死者を送る側は、編みパンにそんな思いを込めていたのです。
編みパンづくりのポイントは?
編みパンづくりの一番の難しさは成型です。
編みパンは生地をひも状にしてまさに“編んで”かたちを作っていきます。ひも状の生地は、同じ太さでないとダメで、細かったり太かったりすると、綺麗な形ができません。そのため、事前にしっかりと丁寧にガスを抜いておきます。せっかく同じサイズのひも状の生地を作っても、ガスが抜かれていないとかたちが変わってしまうからです。
生地を伸ばす時は、手のひら全体を使って大きく転がしていきます。表面が乾いてしまうと、表面に筋が入ったような出来上がりになってしまうため、素早く行います。編んでいくときは、緩過ぎずきつ過ぎず、どちらかと言えばゆったりと編みます。きつく編んでしまうと、そこから膨らんで変形してしまいます。成型の中でも最も難しいところですが、発酵するとどうなるのかといったことをイメージしながら編むとよいでしょう。
編みパンは、2本で編んだり3本で編んだり、4本、6本、8本といった本数のものまであります。本数が増えれば確かに難易度は上がりますが、規則にしたがって編んでいくので、ポイントさえ習得すれば誰にでも編みパンは作れるようになります。なお、発酵時間をふつうのパンより少し短くしたり、イーストの量も調節したりといった秘訣がほかにもいくつかあります。そのあたりはぜひ教室に足を運んで、実際にご自身の目で確かめられるとよいでしょう。
編みパンのお味は?
編みパンの食感は、基本的にやわらかくマイルドですが、本数が多くなるといくぶん硬めになります。小さく作れば、ロールパンと同じようなテーブルブレッドになります。パンに好きな食材を挟んで、食べるのもよいですし、生地の中にゴマを入れたりすると、香ばしい風味を味わえます。同じようにココアを入れると、ココアの味が楽しめるだけでなく、黒っぽい生地と白い生地が混ざった綺麗な編みパンになります
編みパンで広げるまごころ
編みパンはパン屋さんでみかけることはあまりありません。それはきっと、作るのに手がかかるし、難しいから。パン屋さんを覗いてみて、もし編みパンを扱っていたら、そのパン屋さんは技術的にしっかりしていると思って間違いないでしょう。
パンの成型は、麺棒成型と手成型の2つあります。前者は麺棒をかけて生地を伸ばして形を作ります。後者は道具を使わずに手だけで作ります。編みパンは典型的な手成型。手間がかかるぶん、あまりパン屋さんでは扱っていないわけですが、私たちにとっては、手づくりの神髄が味わえる、とても面白みのある、また奥深いパンなのです。
ところで、「アルプスの少女ハイジ」というテレビアニメをご存じでしょうか。主人公のハイジがクララの家に遊びに行って、初めて白いパンを見て、ペーターのおばあちゃんにあげようと机の中にしまってしまうシーンがあります。それほど貴重だった白いパン。白い小麦粉は、いまでは簡単に手に入りますが、そんな時代があったことも頭の片隅に置きながらパンを作ると、きっと愛情のこもったやさしい味に仕上がることでしょう。いまでもパンは大切な人へのプレゼントにも贈ることができます。そのなかでも編みパンは最適と言えます。ぜひ、チャレンジしてみてください。
パンをおいしく作るには、材料も大切な要素の一つ。ホームメイドクッキングが扱う小麦粉について、おいしさのヒミツはこちら。
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ホームメイドクッキングではいろいろな編みパンを学ぶことができます。
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